チェンバロ奏者 八百板正己 のホームページ
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| 公開講座:バロック舞曲の演奏法と鑑賞法 〜 バッハのフランス組曲を中心に 第1回:導入とメヌエット、ガヴォット、ブーレ |
バロック時代のヨーロッパ宮廷に花開いた華麗な舞踏の数々。 それらは実際にどのようなステップで踊られていたのでしょうか? バッハはそれらを鍵盤音楽に移すにあたって何を意識したのでしょうか? バロック舞曲をリアルに演奏し鑑賞するための秘訣を披露します。
(1)ルネサンス:代表的舞曲のパヴァーヌとガリアルドを組にして演奏することが流行
(2)バロック初期:新しく生まれたアルマンドやクーラントも加わり、組曲形式の模索
(3a)バロック中期(フランス):多くの舞曲を緩やかな形式でまとめた組曲が発展
(3b)バロック中期(ドイツ):フローベルガー(1616〜1667)による組曲形式の確立
(4a)バロック後期(フランス):組曲に標題音楽が加わり、やがて標題音楽ばかりになる
(4b)バロック後期(ドイツ):組曲に新しい舞曲が加わるとともに、
従来必須だった舞曲が省かれるなど形式が自由化して解体し(ヘンデルには舞曲を一つも含まない組曲もある)、
やがて衰退
(5)古典派:組曲の消滅、新しく起こったソナタばかりになる(メヌエットだけはソナタの中に生き残る)
(1)「組曲」は決まった形式を持つ
組曲の形式:
@伝統的舞曲(アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ)をこの順ですべて有する(フローベルガーが確立した形)
A新しい舞曲を加える場合にはジーグの前
B冒頭の前奏曲の有無は自由
(2)「パルティータ」は組曲よりもやや自由
(3)「序曲」は(長大なフランス様式の)序曲で始まり、新しい舞曲を中心に自由な配列
序曲:フランスの宮廷バレエから器楽曲を抜粋して演奏した習慣に由来する形式
(4) ソナタや協奏曲にも舞曲を含むものがある
(5) 新しい舞曲は圧倒的にメヌエット、ガヴォット、ブーレの3つで占められ、中間部(第2メヌエット、第2ガヴォット等)を持つものが多い
(1)(バッハ幼少期:先輩作曲家たちが残した、伝統的舞曲のみの組曲を勉強する。)
(2) イギリス組曲:新しい舞曲を1つ加える。対位法との融合を試みる(不成功?)
(3) フランス組曲:多くの新しい舞曲を加える。
(4) パルティータ:組曲形式をより自由化し、このジャンルの歴史の最後を飾る。
(5)(バッハ以降:次男エマヌエル・バッハは組曲を1曲しか書かなかった。)
(1) 実際の踊りの伴奏(舞踏会や宮廷バレエ等)では、
外声を管楽器や通奏低音などで補強する(旋律を認識しやすくする)ので、
外声だけの2声、または高音の2声を並行させた3声の音楽として聞こえる。
チェンバロ曲もそれを模倣したものが多い。
(2) 舞踏会で2曲を交互に延々と弾き続ける様子を表すために中間部を持つものが多い。
3/4拍子。2小節6拍単位のステップ。 1拍目と3拍目に上方に伸び上がる動作をもつ。 古典派のメヌエットからの連想で今日一般に弾かれているテンポよりも、 バロック時代にはもっと速かった(3/8拍子にほとんど近い)。
・第4番:2小節単位の踊りであることを一番表現しやすい。後になって追加された。
・第6番:同上。ただし6拍目で流れが止まると「上方に伸び上がる動作」に反する。
かなり後になって追加された。
・第2番:メランコリックな雰囲気に負けてメヌエットのテンポを外れてはいけない。
メヌエットらしいリズムを左手の四分音符で表現する。
後になって追加された。中間部となる第2メヌエットはさらに後に追加された。
・第3番:流行舞曲に似合わず、転回対位法(声部間で主題を交換)が多用される。
第2メヌエットの前半は3拍単位のステップを暗示するか?
・第1番:転回対位法の多用がさらに著しい。
第2メヌエットでは2拍目のアクセントがメヌエットらしさと矛盾する。
バッハの最も演奏困難なメヌエット。
2/2拍子。二分音符1つ分のアウフタクト。2小節単位のステップ。 小節の頭はジャンプからの着地動作(拍頭は落下ではなく、着地に伴う膝の屈伸)。
・第6番:二分音符のアウフタクトがあることを一番表現しやすい。
・第5番:同上。八分音符が連続する左手でも一拍目のスイング感を助けるように。
・第4番:1拍目と2拍目が似ていて、ガヴォットのステップ感を表現しにくい。
2/2拍子、四分音符1つ分のアウフタクト。 足の運びは四分音符単位。各小節の頭は上方に伸び上がる動作。
・第6番:足の運びを表す四分音符を左手があまり奏でないので、ブーレのステップ感は右手でも表す必要がある。
・第5番:同上。バッハの最も演奏困難なブーレ。
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