チェンバロ奏者 八百板正己 のホームページ

チェンバロ日誌(2007年1月)

チェンバロ日誌
1月3日(水)
 あけましておめでとうございます。 いつもホームページをご覧下さって「早く日誌を更新しなさい」とおっしゃってくださる方も、 「思い出したときに時々見ています」とおっしゃってくださる方も、 何年ぶりかにホームページを訪ねて「日誌があるとは知らなかった」とおっしゃってくださる方も、 皆様これからもよろしくお願いいたします。
 暮の29日からずっとチェンバロに触っていないので禁断症状が出そうですが、 明日の昼からは弾ける予定です。 さあ何を弾こう?ワクワクします!
1月9日(火)
 ただいまスカルラッティのフーガ ト短調K30を練習中です。 久しぶりにスカルラッティの情熱に触れて私も燃えます! このフーガの主題はあまりに異常な音程が連なって作られているので、 猫が鍵盤の上を歩いて出た音のようだとして「猫のフーガ」というあだ名で知られていますが、 もちろんスカルラッティによる命名ではありません。 変なあだ名のために作品の真意を見失ってはいけません。 異常な音程はバロック時代の音楽修辞学に基づいて、 ある種の異常な感情(苦悩、絶望など)を意味すると考えられます。
 時間のある冬篭り中ですから、 徹底的に掘り下げて研究し練習し、 雪がとけて演奏会で皆様にお会いするときには一段とパワーアップした八百板正己をお聴きいただきましょう! (注:今練習中の曲が春に聴けるとは限りません)
1月17日(水)
 スカルラッティのフーガに続いて、 同じく彼のソナタ ニ長調K33と、ソナタ変ホ長調K193の練習を始めています。 スカルラッティの多くのソナタの例に漏れず、 これらも楽しみながらテクニックを習得できるように作られています。 音型の異なるさまざまなモチーフが次々に現れて一見脈絡が無いようでもあり、 それぞれのモチーフはしつこいくらいに何度も繰り返されて洗練されていないようでもありますが、 何度も繰り返すモチーフはテクニックを習得してほしい部分なんだと読み取り、 一曲練習すると何種類もの音型が一度に習得できるのも嬉しいことだと思えば、 練習用としては実に親切な作りだと言えるでしょう。 もちろんこれらは芸術作品であって、 彼が後半生を過ごしたスペインの情熱的な風土がその「しつこい繰り返し」を生んだのだろうと納得できます。
1月31日(水)
 スカルラッティのソナタ ニ長調K492練習中! チェンバロ弾きの間ではけっこう人気のある曲です。 非常に速くて元気で楽天的で、東洋風なエキゾチックなところもあり、 興奮して思い切り速く弾きたい衝動に駆られます。 しかしこの種の技巧的な曲を練習の初期の段階から不用意に速く弾いてしまうと、 いつまでたっても確実に弾けるようにならないばかりか、 おかしな癖が付いて崩れ出し、 取り返しがつかなくなります。 感情に負けず、 ゆっくりゆっくり片手ずつ練習を積み重ねます。


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