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チェンバロ日誌(2012年9月)

チェンバロ日誌
9月29日(土)
 明日のチェンバロ教室発表会の最大の目玉であるナチュラルホルンの塚田聡(つかださとし)さんが見附のスタジオにいらして、 バッハのロ短調ミサの中のアリアを初合わせしました。 12畳ほどのスタジオでホルンの大音量が鳴ったらどんなことになってしまうのだろう?とか、 元の編成のファゴットのパートをチェンバロで弾くのでホルンの音にかき消されて聞こえないのでは? とかいろいろ心配があったのですが、 何と、バッハの時代のホルンは音が大きくないんですね! その時代のトランペットやトロンボーンは管が細くマウスピースも小さいので音が大きくなく、 音色もオルガンやバロックヴァイオリンのように倍音豊かだということは本で読んで知ってはいましたが、 ホルンもそうだったんですね! 普通の室内で聴いても威圧感などなく(もちろん必要なときにはそういう表現もできますけど)、 マシーンではなく道具として人が扱うのにちょうどよい存在感というか、 とにかくチェンバロと並んで演奏していて全く居心地がいいんです。
 それにしても、16分音符もトリルも全部唇の操作だけで吹くのは大変な技術のはずなのに、 大変そうな様子が全く見えずにいとも軽々と吹いてしまうのです。 一時間ほどの合わせの間、あの難曲をただの一音も外さずに完璧にです。 しかもそれほどすごいことをしているのに、 それがすごいことだと感じさせないであくまで自然だというのが実はもっとすごいことです。 さすが日本一のナチュラルホルン奏者! 鍵盤楽器なんかでは難しい曲を「難しいことを完璧にこなしてすごいだろう!」 と言わんばかりに見せつける演奏に出会うことも少なくないですが、 作曲家はそんな低次元のことを表現してほしくて曲を書いているのではないですから、 私も「難しい曲を難しいと感じさせない演奏家」であるように心がけます。


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