チェンバロ奏者 八百板正己 のホームページ

チェンバロ日誌(2012年11月)

チェンバロ日誌
11月10日(土)
 「今後の演奏予定」にも書きましたが、 横浜とカーブドッチでの使用楽器をスコブロネックに変更しました。 当初は横浜の演奏会の前日と前々日に群馬で群馬交響楽団の演奏に加わって、 その足で横浜に向かう予定でした。 オーケストラのピッチに合わせられるのは久保田チェンバロの方で、 楽器を積み替えに新潟に戻る時間はないので、 横浜も同じ楽器でと考えていました。 楽器が違うと音楽の作り方も変わってくるので、 曲目の多くが共通のカーブドッチの演奏会も同じ楽器のつもりでした。
 それが群馬交響楽団のほうで曲目が変更になりチェンバロが不要になったのです。 であれば、バッハとモーツァルトだけを弾くコンサートならドイツ様式のスコブロネックでしょ! 今年で46歳になるこの楽器はコンサートで使うとなるとあちこち調整が必要です。 最近はジャックの先にあって爪が取り付けられるタングという部品の回転が鈍くなるところが続出で、 練習していて鳴らない音が出てくるたびに回転軸を引き抜いて錆と埃が溜まっているのを取り除いたり、 タングをジャックに押し付けるバネ (何かの細い樹脂製のようですが同じ物がないので私は釣り糸で代用しています) を交換したりします。 調整と並行して、眠っている楽器に目を覚ましてもらわないといけないので (使っていない楽器はよく鳴らないし音も寝ぼけています)、 毎日必ず弾いてあげます。
11月24日(土)
 風邪で2日間何もしないで寝てました。 3日ぶりにスタジオに来てチェンバロを調律してびっくり 「チェンバロってこんなに大きな音だったっけ?」 たった数日でも新鮮に感じられるのですね。 今日は練習の遅れを取り戻すべくバッハ三昧、モーツァルト三昧ですが、 どの曲もきっと新鮮に感じられることでしょう。 もしかしたら、コンサートでも新鮮な気持で弾くためには、 本番直前にあえてチェンバロを弾かない日も必要だったりして?
11月29日(木)
 今シーズンの目玉の一つであるモーツァルトの子ども時代の曲についてです。 5歳や6歳のときの曲では演奏時間10秒とか30秒足らずとかの曲もありますが、 モーツァルトのすごいのはそんな極小品の中にも微妙な旋律線の変化とか、 ちょっとした和声の工夫とか、どこもかしこも意味に満ちていることです。 同じ意味、同じ表情は数秒と続きません。 それらの意味を最大限演奏に表そうとすると、 30秒の曲ですらいつまでたっても自分で最良と思える演奏にたどり着かないのです。


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