チェンバロ奏者 八百板正己 のホームページ

八百板正己のCembaloニュースレター 2016年4月号(2016年4月29日発行)

印刷して郵便でお届けを始めたニュースレターの内容をここに転載します。
ニュースレターの郵送をご希望の方は、どうぞご遠慮なくお申し付け下さい。


チェンバロQ&A

Q:チェンバロのために作られた現代の音楽はあるのですか?(長岡市 M様)

A:

鋭いところを突いてくださいました! 今までは波風を立てないようにと黙っていた秘密もあるのですが、この際ですから勇気を出して書きます。

一般には「チェンバロはピアノが発明される前に活躍した楽器」と言われています。私もコンサートのトークやプログラム解説文などで、話を簡単にするためにそう説明しています。でも、厳密なことを言えば、ピアノが発明された後もしばらくは使われていたし、いったん滅んだチェンバロの再評価も19世紀には(細々と例外的にですが)始まっていたようですから、チェンバロの音が全く鳴らなかった期間というのはたったの数十年程度なのかもしれません。それでも、社会現象としてチェンバロがこんなに普通に聴けるようになったのは最近のことですから、「一度歴史から姿を消したチェンバロが最近また復活して聴けるようになりました」と説明している次第です。

そういうわけで、上記のように細々とであってもチェンバロが再び演奏され始めた19世紀から、新たに「チェンバロのために」と銘打って曲が作られることも細々と行われました。そして時代が下ってチェンバロの評価が高まるにつれて、新しく作られるチェンバロ曲も増えてきたようです。戦後は日本人作曲家によるチェンバロ曲もいろいろ作られているようです。

「ようです」などと無責任な書き方をしますのは、正直なところ私の勉強不足で、近現代のチェンバロ曲の動向はよく把握していないからなのです。作曲家が心血を注いで作ったものを批判するのは良いことではありませんが、それらの新しいチェンバロ曲に私があまり興味を持てない理由が2つあります。

理由の1つめは、私が心惹かれるのはチェンバロという楽器なのではなく、ヨーロッパの古い音楽の方だということです。つまり私にとっては、近現代の曲をチェンバロで弾くことよりも、バロック時代の音楽を(たとえチェンバロ演奏で関わるのでなくても、歌ったり吹いたり指揮したりetc.)することの方が幸せなのです。

2つめは、それらの新しいチェンバロ曲のほとんどが、むしろピアノで弾いたほうが美しいからです。あくまで私が聴いてみた範囲でのことですが、それらの曲ではチェンバロの欠点とされる特性(弾き方で強弱を自在に変化させることができないとか、ピアノのように消音ダンパーを外すペダルがないとか)がむき出しになってしまっています。おそらく作曲家自身がチェンバロの演奏経験が少ないからでしょう、無意識にピアノで美しく響くような書き方になってしまうのだと思います。ついでですが、この「チェンバロは弾き方で強弱を自在に変化させることのできない楽器だ」ということに気が付かずにお聴きくださっている方も大勢いらっしゃいますね。それは、バッハやヘンデルやクープランやスカルラッティといったバロック音楽の大家たちが、いかにチェンバロという楽器を知り尽くしていたかの証でもあります。モーツァルトの音楽でさえ、安易にチェンバロで弾くと楽器の欠点のほうが目立ってしまうこともあるほどですから。

特定の文化圏のための、しかも特定の時代様式のために特化した楽器というのは、専門外の作曲家にとっては扱いづらいものです。でもこれからは、ここ新潟県でもチェンバロの数はどんどん増える一方ですし、ごく普通の音楽ファンがチェンバロをたしなむ時代になれば、チェンバロの良さを存分に発揮する現代チェンバロ音楽も作られるようになることでしょう。

※ 質問をお寄せ下さい。 このコーナーに採用させていただきましたら、お礼にちょっとかわいい音符雑貨をひとつプレゼントいたします。


最近のFacebook投稿から

一昨年の夏に始めました「フェイスブック」で、私自身の音楽にかかわることを気ままに投稿しております。

お客様の中で既にフェイスブックを使っていらっしゃる方、ぜひ「友達リクエスト」を下さい。

3月31日

今日だけは音楽から離れて家族でピクニック!

一面のカタクリの花をスケッチしています。シジュウカラやヤマガラのさえずりも爽やかです。

※と投稿しましたら、すかさずFacebook友達から「音楽から離れてといっても、鳥の歌を聞いていたんでしょ?」との突っ込みを頂戴しました。確かに!

4月2日

チェンバロは一人で運べます!(段差さえ無ければ)

今日も新潟バッハ管弦楽団&合唱団の練習です。自作の台車にチェンバロ本体を載せ、その上に椅子も分解した脚も楽譜も道具箱も鞄も全部乗せていっぺんに運んでしまいます。各地の公共施設で車椅子用のスロープが増えているのはありがたいですね。

4月13日

届きました、派手ネクタイ!

あと数日に迫った新潟バッハ管弦楽団&合唱団の長岡公演。出演者はソロも合奏も合唱も、もちろん指揮者も、みんな対等に華やかな衣装を準備しています。

女性は「思わずうっとり見とれてしまう華やかな衣装、ドレス歓迎!」

男性は「黒ズボン、黒シャツ、派手ネクタイ」

と団員に呼びかけていますが、言いだしっぺの私のネクタイがいつも一番地味だったので、今回思い切って取り寄せた次第。

音符を4つずつ結ぶ連桁がバッハの自筆譜のように曲線だし、旋律の運びもどことなくバッハ風でもありますが、デザイナーがアレンジした結果5拍子の所があったりするので、元の曲を特定するのは無理みたいですね。

4月15日

長岡リリックホールのオルガンを調律中!

明日は新潟バッハ管弦楽団&合唱団の長岡公演です。いつも練習の時に使わせていただいているオルガンが、いよいよ本番で活躍します。

今日は午後一番にホールにオルガンを移動して、何はさておきオルガンの調律です。鍵盤の下にもパイプがあるので鍵盤を外し、一人では手が届かないので妻に助手を頼みました。オーケストラと合唱とオルガンがどのように響き合うのか楽しみです。


ニュース

新潟バッハ管弦楽団&合唱団 長岡公演のご報告

(4月16日 長岡リリックホール)

この日は新潟バッハ管弦楽団&合唱団の、発足から1年余にして4回目の公演でした。直前の練習も年度末をはさんでメンバーの都合がなかなか合わず、初めての本格的なホールでの公演ということもあって心配事が尽きませんでした。でも始まってしまえば、お客様の暖かい拍手と会場の素晴らしい響き、そして何といってもバッハの音楽のすごさにグイグイと引っ張られて、2時間を大きく超過したコンサートにもかかわらず、あっという間に終わってしまった感覚です。

終演後にはお客様から本当にたくさんの感想をいただきました。半数以上のお客様がご丁寧に書いてくださった計算で、感想の最多記録を大きく塗り替えました。私たち団員も興奮しておりましたが、お客様も同じ思いでいらっしゃったのですね。以下にその一部をご紹介いたします(個人が特定されないよう、若干表現を変えたところがあります)。

「こんなに引きつけられたコンサートもめずらしい。すばらしい。今後も是非聴きたい。」(見附市 N様)

「響きが美しくうっとりしました。プログラムの構成が豊かであっという間に時間が過ぎました。楽器の音と声が一つひとつ輝いて重なり合い至福のときでした。また聞きに来たいです。最後の曲、音楽の力によって平和が実現しますように!」(長岡市 T様)

「心のこもった演奏ありがとうございました。バッハの心にふれることができたように思える演奏を聴けました。感謝いたします。」(山形県小国町 S様)

「・ヴィオラ・ダ・ガンバについては名前だけは聞いたことがありましたが、実物を見て、音を聞いて感動しました。
・クリスマス・オラトリオの4.アリアが演出も音楽もすばらしかったです。
・すばらしい音楽を聞いて、熊本の地震で落ち込んだ気持が楽になりました。ありがとうございました。」(長岡市 N様)

「心が洗われる様な素適な時間をいただきました。ありがとう。」(長岡市 S様)

「色とりどりのドレス、おしゃれなネクタイ楽しませていただきました。音楽も同じで、全体の演奏(特に最後)の空気に包まれるのも好きですが、小アンサンブルでそれぞれの方の音色やお声や表現が色とりどりなのも楽しかったです。エコーアリアは、立ち位置も工夫されていて、4方向から聞こえてくるのが面白かったです。バッハ、いいですね〜」(新潟市 O様)

すばらしい充実した時間をありがとうございました。入団に向けて検討します。」(長岡市 K様)

「私もバッハ大ファンとして応援しております。皆様頑張って下さい。必ずや努力は報われます。」(新潟市 I様)

「八百板さんのバッハへの思い入れに感動していました。バッハ全曲制覇という壮大なスケール達成のために頑張って下さい。」(南魚沼市 N様)

「不安・苦しみの多い若き日よりバッハに安らぎを求めて今日に至りました。本日のクリスマス・オラトリオとミサ曲ロ短調は車中の定盤。ベットでは『マタイ受難曲』。(特に合唱部分に感動してます。)その意味で本日は心より感動しました。(娘が嫁いだパリ・ノートルダム寺院のミサを思い出し、ウルウルしました。)」(柏崎市 K様)

「八百板先生は、大変なことに取り組んでいらっしゃると思います。尊敬致します。合唱団に入れていただきたいという気持ちもございますが、仕事とどう折り合いをつけられるか考慮中です。先ず、コンサートには伺います。これからも!」(新潟市 O様)

「軽妙な語り口での解説が良かった八百板さん。バッハの、このような本格的な演奏会は、難しく、堅苦しいような印象(キリスト教との関係が不可分なので)、とっても宗教くさいようなイメージを持たれてしまう事もありますが、八百板さんの"バッハ風"のお話は、なるほど、と思いました。昨年のりゅーとぴあ公演にも行きましたが、前回同様単語の一つ一つの意味について書かれた、くわしい歌詞が配られ、バッハ鑑賞の手引き、的な資料にもなると感じました。願わくば、会員さんに配られている、という"バッハ通信"の、バックナンバーなど"自由にお持ち下さい"的にロビーにおいてみては?」(長岡市 H様)

「ロ短調すばらしかった!!」(長岡市 I様)

「私のような初心者にも判りやすい構成でよかったです。ベテランの方々をはじめ一人一人がバッハの曲を大事に演奏されている姿がすてきでした。」(長岡市 S様)

「・いろいろな曲の組み合わせ(合唱・オーケストラ、独唱・ソロ楽器)があって楽しかった。
・めずらしい楽器も見られてうれしかった。
・八百板さんのお話がとてもおもしろく楽しかった。
・生の音楽が聞けてうれしかった。
・合唱のひびきがとても良かった。(クリスマスオラトリオ、ミサ曲ロ短調)
・管弦楽組曲もフルート奏者が交替していくのも楽しく聞けた。
・舞台にいろいろな色彩の服装があったのも良かった。
・最後のソプラノ二重唱もとてもよかった。
(サポーター会員になりたいと思います。)
弦楽器やオーボエ、フルート、ホルン、ファゴット、ティンパニなど、私にはあまり間近に聞く機会がなかったので、楽しくて有意義な時間をすごせました。ありがとうございました。また頑張ってください。」(長岡市 A様)

「音楽のことはよくわかりませんが、一生懸命に取り組んでいる様子や全員でハーモニーを作る、響かせる姿を見ることができて感動いたしました。たくさんの練習で今日の演奏会を成功させていただき、ありがとうございました。いろいろと難しいこともあるかと思いますが、バッハの音楽を紹介していただければ幸いです。」(長岡市 S様)

「前半しか聴けませんでしたが、来てよかったデス。音色が語るって、ホントにあるんだ、と思いました。」(長岡市 S様)

「演奏ありがとうございました。自分は高校生ですが、高校の吹奏楽とは違ったやさしい演奏が聴けてよかったです。特に『キリエ』が印象的でした。ありがとうございました。これからもがんばってください。」(新潟市 N様)

「NHK F.M.『古楽の楽しみ』のファンです。大変感激致しました。若い頃から、ファゴットとオーボエとホルンとチェンバロの音色が特に好きでしたので、まさしく『これだ』と喜びました。」(長岡市 Y様)

「皆さんは素人の方達の集まりだとお聞きしましたが、お一人お一人が素晴らしかったです。練習時間も足りない中の公演だと思いますが、これからも聞く私達が心温まる感動の一曲一曲を期待します。有りがとうございました。」(上越市 H様)

「美しいバッハの音楽を楽しませていただき、幸せな時間をすごさせていただきました。どうもありがとうございました。『Dona nobis pacem.』涙が出ます。『主よ人の望みの喜びよ』をお願いします。」(柏崎市 H様)

「色々な楽器と4種の歌声を合わせたすてきな曲を聞き、感動しました! ヨーロッパにいるような心落ち着くバッハの楽曲のすばらしさを発見しました。ありがとうございました! また聞きに来たいです。」(長岡市 O様)

「バッハのミサ曲、とても良かったです。合唱が良かったです。長岡でこういう曲が聴けるというのがすごいです。チェンバロの通奏低音が安定していて、どの曲も落ち着いて聴けました。ソロの皆さんもうまかったです。」(長岡市 S様)

「『楽しかったでした』
朝日酒造での第1回を聞かせていただいた時には、目の前で聞かれてよかったでした。今度は大きなコンサートホールでの演奏会、どんなになるか楽しみにしていました。皆さんが個々に活動されていて全員で練習される機会が少ないと思いますがすばらしかったです。バッハを含めてバロック音楽はよくわかりませんが、知っている曲も知らない曲もいくら聞いてもいやにならない、いつでも聞きたいと思い、演奏会があるときはできるだけ寄せていただきたいと思います。大変でしょうが(多分大好きで集まっておられるのでしょうが)これからもがんばって沢山聞かせてください。」(長岡市 I様)

「とてもすばらしかったです。本当にありがとうございました。すてきな歌声、声量、楽器も工夫されていてとてもよかったです。飽きずに聞けました。指揮者の説明もとてもよかったです。後半、よく知っている曲が聞けてバッハがとても身近になりました。すばらしい演奏。すてきでした。」(魚沼市 T様)

「ありがとうございました。オルガン、チェンバロ、日頃生で聞くことができなかったのでよかったです。チェンバロの繊細さにおどろきました。音楽は素人です。でもバッハは好きです。バッハを生で聞くことができてよい1日でした。」(魚沼市 T様)

「今日は素敵なひと時を過ごさせて頂きありがとうございました。バッハが次から次へと作曲し皆に聴かせた頃の思いが伝わりました。大きなシンフォニーも良いですが、小さな音楽も良いですね。古楽器の音色が聴けて嬉しかったです。これからも頑張って下さい。」(柏崎市 H様)

「あっという間に時間がたちました。バッハのCDを買いたくなりました。ありがとうございました。特にミサ曲、よかったです。」(長岡市 O様)

「お疲れ様でした。バッハ大好きです。長岡で全曲バッハのコンサートが聴けるとは思いませんでした。ありがとうございました。次回のプログラム楽しみにしてます。」(長岡市 K様)

ゴールデンウィーク・チェンバロ・スタンプラリー

先月のニュースレターで予告しましたとおり、5月の連休に行われる3つのコンサートのスタンプラリーを実施します。以下のコンサートに1回、2回、3回ご来場でそれぞれプレゼントを差し上げます。AとBは同じ会場で同じ共演者ですが、別の曲をご用意していますし、美術展の観覧券の半券があれば翌日は200円引きで美術館に入れるそうですので、ぜひ両日ともお聴きいただきたいです。

@5月4日(水祝)杜々の森名水公園(長岡市西中野俣) 共演:武藤千明(フルート)
A5月5日(木祝)新潟市美術館 展示室ロビー 共演:井上静香(ヴァイオリン)
B5月6日(金) 新潟市美術館 展示室ロビー 共演:井上静香(ヴァイオリン)

ご用意しているプレゼントは以下のとおりです。

スタンプ1個で:
かわいい音符クリップ

スタンプ2個で:
かわいい音符クリップ + 私の楽器のポストカード(額入り)

スタンプ3個で:
かわいい音符クリップ + 私の楽器のポストカード(額入り)+ ポストカードをもう一つ

平均律クラヴィーア曲集第1巻全曲講習会のご予約受付開始

詳細が決まり、ご予約受付を始めました。同封のチラシをご覧下さい。落ち着いて受講いただけるように各回とも定員30人とさせていただいております。お早めにお申し込み下さい。


ご質問、ご感想、ご意見などは下記までお寄せください。
E-mail : yaoita@tochio.net
親切、迅速にお返事いたします。

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